余った柿を薬膳的に大量消費!体にいい食べ方のコツ

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ぐぐっと寒くなってきましたね。紅葉もいい感じに色づいてきました。

KYO
京都の冬は盆地なので、底冷え…。
すでに床暖房から離れられません!

我が家では毎年、の木がたくさん実をつけます。柿をはじめ、秋の旬フルーツには、潤す力がたっぷり。今回は、おいしくて体にもよい柿のことをまとめてみたいと思います!
↓大量消費レシピがすぐ知りたい方は、目次から飛んでください〜!

柿の豆知識

柿は海外でも「kaki」として知られる東アジア原産のフルーツ。渋柿の木は中国や朝鮮半島にもありますが、完全甘柿は突然変異で生まれた日本特有のものといわれます。

柿には千種以上の品種があり、渋柿は北限東北地方まで栽培できますが、甘柿は気温が低いと渋が残るため、温暖な地方で作られます。(ちなみに我が家の柿も、完全甘柿です♪)

甘くておいしいだけでなく、ビタミンCやカリウムなど、健康効果たっぷりの柿。「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざもあるほどで、乾燥して喉が痛いな〜という時や、お酒を飲みすぎた時にぴったり。また、実をはじめとして葉、ヘタまで生薬として使われる、立派な薬膳的果実です。ちなみに柿の葉はアレルギー対策ヘタはなんと「しゃっくり止め」の生薬になります。

柿の栄養

西洋医学をベースにした栄養学と、中医学(中国伝統医学)それぞれから、柿の栄養をみてみます。

栄養学でみた柿

  • カロテン、ビタミンC、ミネラル、リコピン、食物繊維などが含まれるので、風邪や貧血予防が期待できる。
  • 柿の渋みの成分タンニンは、アルコール分解の働きがあり、飲酒前に食べると二日酔いの予防になる。

中医学でみた柿

  • 【清熱潤肺】熱を取り除いて肺を潤し、乾燥による咳を癒す。
  • 【生津止渇】体を潤して口の渇きや口内炎を緩和。
  • 【解酒熱毒】酔い覚ましや二日酔いの解消。

↑中医学の説明は少し抽象的に感じるのですが、栄養学には存在しない考え方があります。それが食べ物の性質と味を指す「四気五味(しきごみ)」です。

四気五味でいうと、柿は体の熱を取る「寒性」「柿の食べ過ぎは冷えの元」といわれるのはこのためです。特に胃腸が弱い人、冷え性の人、子供や妊婦さんは食べ過ぎ注意。そこでひと工夫。

体を冷やしにくい柿の食べ方

① 常温で食べる

柿を冷蔵庫に入れたり冷凍で保存する人も多いと思います。でも、もともと柿自体が冷やす作用を持っているので、冷やさず常温でいただきましょう。

② スパイスをかけて食べる

生の柿を切って、体をあたためる作用のあるシナモンやクローブなどのスパイスをかけていただくと、冷やす作用が和らぎます。(この方法は子供や妊婦さんは避けてください)

③ 加熱して食べる

ヘタの部分を切り落としてトースターで10分ほど焼き、スプーンですくっていただきます。皮をむいてスライスしたものを、レンジでチンしていただくのもおすすめ。ちょっと変わったところでは、「柿の天ぷら」「柿のおでん」なども!

④ 干して食べる

いわゆる、干し柿です。干すことで保存がきき、体を冷やす作用が和らぐという昔ながらの方法です。渋柿だけでなく、甘柿も干し柿にできます。

食べ合わせの注意

柿には、相性がよくないとされる組み合わせがあります。

柿+緑茶

どちらもお腹を冷やすので下痢になりやすいとされます。また逆に、渋み成分タンニンの摂りすぎになるため便秘になりやすいともいわれます。

柿+カニ

どちらも体を冷やす寒性なので、お腹が痛くなり下痢しやすいとされます。

柿を大量消費したい!しかも体にいいレシピ

我が家のように柿の木があったり、親戚から大量に柿をもらったりして、食べ切れない…という方もいるのではないでしょうか。柿は常温で置いておくと、すぐに熟してしまいます。そこで私がよく作っているのが「柿ジャム」です。

柿と柑橘類のジャム

まず、柿と柑橘果実、砂糖、圧力鍋を用意します。柿はとろとろに熟したものと、まだ実がかたいものの両方を使います。

今回、柑橘類はスダチを使いましたが、柚子でも大丈夫です。皮ごと加えることで酸味と苦味が加わって、甘みがさっぱりして、ちょっと大人の味わいになるんですよ。皮ごと使うので、無農薬のものがおすすめです。

ちなみに、スダチは柚子の近縁種。本来は果皮が緑色の時に収穫しますが、そのままにしておくと果皮が黄色になり、酸味がやわらかくなってきます。

使う量は「柿:スダチ=3:1」程度。酸っぱいの、苦いのが苦手な方は4:1ぐらいでよいと思います。写真の分量のように私は大量に作りましたが、一気に作るとなると大きな鍋が必要ですし、食べるのも大変なので、ご自身で量を加減してください。

スダチを半分に切り、タネをスプーンの柄などでかきだします。この時、ヘタに平行に切るのがポイント。

ヘタと垂直に切ってしまうとタネが出ません。タネとヘタを取ったら、さらに小さく切ります。

柿は、熟したものは皮がむきにくいので、手で絞り出すようにして実を直接鍋に入れます。(ワイルドすぎ!?)

かたい柿は皮をむいて、切り分けて鍋に入れます。タネは後でとるので、気にせずに。

圧力鍋で10分ほど加熱して、しばらく放置。

加熱した後がこちらです。

これをザルに入れ、麺棒などで粗くつぶします。実を全部こす必要はなくて、この作業は柿の実を取り出すためです。スプーンで見つけ次第、タネを取り出します。

タネが全部取れたら鍋にもどし、黒砂糖(この時は大さじ3)を加えてさらに煮込みます。柿が十分甘いので、砂糖を加えなくてもいいぐらいなのですが、黒砂糖を加えることでコクが加わります。ここで、体をあたためるシナモンとクローブも適量投入。黒砂糖とスパイスを加えると、味がしまります。

水けがまだまだあるので、ゆっくり弱火で混ぜながら煮詰めます。半量ほどに煮詰まったら、保存容器に入れて冷まします。冷蔵庫で冷やすと、とろっとジャム状になってきます。

できあがり♪甘いけれどマーマレード風の苦味もあって、くせになるおいしさ。もちろんパンに合うし、そのまま食べてもおいしい!出来上がりをミキサーにかければ、ペースト状になって口当たりがさらによくなります。

↑パンの色とちょっと同化しちゃっているのが残念。
皮ごとのスダチとスパイスを加えた分、大人な風味です。子ども向けの味にしたい場合はスダチを少量のレモンに、またスパイスを抜いて作ってもいいと思います。6年生の長女は「おいしい」と言っていましたが、1年生のボーズはダメでした^^;

柿と柑橘類のジャム 薬膳まとめ

今回のレシピのポイントは、柿とスダチをたっぷり使いながら、冷やす作用を和らげたことです。また柿とスダチの組み合わせにより、水分の代謝を調節して、余分な水をさばきます(理気去痰)。痰やむくみが気になるときにもよさそうです。

食材四気五味帰経効能補足
甘、渋心、肺、大腸風邪の熱、口内炎、二日酔いの解消
スダチ
(ゆず)
涼、温(皮)甘、酸肺、脾、肝消化促進、咳止め、疲労回復、二日酔いの解消

⬇️そのほかにもこんなポイントが。

  • ●柑橘類の皮は、気の巡り(新陳代謝を支えるエネルギー)をよくして消化吸収を高めます。
  • ●スダチ(柚子)と柿はどちらも酒毒解消(酔い冷まし)によいとされます。
  • ●体をあたためる作用を持つシナモン、クローブで風味をキリッと引き締めます。

我が家でも最後の柿のストックでこのジャムを作って、毎日食べています♪

KYO
パンに合わせたり
デザートはもちろん、
飲みすぎた日の朝などにもどうぞ♪


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