あなたの体質はどのタイプ?中医学での体質を知ろう

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薬膳を学ぶ上で、知っておきたいのが「体質」です。自分の体質、周りの人の体質、気になりますよね?薬膳は基本的にオーダーメイドといわれ、食べる人の体質に合わせて食材や調理法を選びます。とても大切なことなので、このブログでも体質についてまとめてみようと思います。

ご自分の体質や養生に興味のある方、これから薬膳を学ぶ方も、もう知ってる方もチェックしてみてくださいね♪

大きくは8タイプ

本によっては体質の数が6つだったり9つだったりと意外とバラバラなのですが、このブログでは中華中医薬学会が定めている体質(2009年以前の体質分類)に基づいて、8つのタイプに分けてみました!

不足タイプ気虚陽虚血虚陰虚
疲れやすくて無気力熱不足で冷えるフラフラかさかさのぼせほてり乾燥
過剰タイプ陽盛痰湿気鬱血瘀
がっちりで汗ダラダラむくみたるみがちストレスでイライラドロドロでアザしみも

不足タイプ(虚)は気虚陽虚血虚陰虚の4タイプ。
過剰タイプ(実)は陽盛痰湿気鬱血瘀の4タイプです。
ここに当てはまらない平和質(いわゆる健康体)があり、合計9つとなります。

なんとなく自分の体質を知っている方は、コンテンツの見出しからジャンプしていただくとスムーズです!

気不足タイプ「気虚(ききょ)」

疲れやすくて無気力

体を構成する「気・血・水」のうち、エンジンとなる「気」が不足しているタイプ。いわば動力が不足している状態なので、息切れ、動くと疲れる、疲れやすい、やる気が出ない、風邪をひきやすい、気温に関係なく汗をかくなどの症状が出やすくなります。
胃腸の弱りが原因のことが多いので、食欲がない、食べるともたれる、下痢や軟便が多い、食後眠くなるなどの症状も特徴です。

見た目
  • 顔色が白っぽいまたは黄色っぽい
  • 筋肉にハリがなく、たるみが気になる
  • 体型は痩せ気味、または肌が水を含んだようにぽっちゃり
婦人科
  • 月経周期が早まったり長引くことがある
  • 出血量が多く、血色は薄い月経の終わりに月経痛がある
冷え
  • 体全体のエネルギー不足で巡りが悪化し、手足が冷えるなどの症状も
メンタル
  • デリケートでじっくり考えることが多い
  • 落ち込みやすく、人とのコミュニケーションが面倒と感じることも

おすすめの食

まずはお米を中心に。お米は気を補い、天然の胃腸薬といわれるほどお腹に優しいので気虚の人にぴったり。肉類では鶏肉、牛肉、豚の骨。魚類ではかつお、いわし、さば、たら、うなぎなど。野菜類は山芋、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、きのこ類。はちみつや栗なども気を補います。消化がよく、あたたかいものがおすすめです。

注意したい食

胃腸の負担になる刺身などの生もの、油ものなどに注意。大根は気を下ろす作用があるので、気虚の人は控えめに。

生活面

睡眠時間が少ないと気を補うことができないので、しっかり睡眠を取りましょう。また、汗のかきすぎは気を失うので、気虚タイプは汗をかくような激しい運動は向いていません。ヨガやウォーキングなどゆるやかな運動をすると気を補うことができます。

冷えタイプ「陽虚(ようきょ)」

熱不足で冷える

体を温めるボイラー機能が弱まっているタイプ。体全体の冷えが強く、おなかや腰回りの冷え、足腰の冷え・だるさ、冷えると痛んだりむくむ、眠くなるなどが見られます。寒がりなので温かいものや辛いものを好むのも特徴。明け方の下痢や頻尿などの症状もみられます。

見た目
  • 顔色が白く、目の周囲が暗い
  • 筋肉がたるみがち
  • 抜け毛が多い
  • 足がむくみやすい
婦人科
  • 月経周期が早まるか遅れる
  • 出血量は多く、血色は薄い
  • 月経痛があり不妊症がある場合も
冷え
  • 体全体の冷えが強く、おなかや腰回りの冷えが気になる
  • 頑固な冷えがある場合も
メンタル
  • 物静かで不安感が強く、ちょっとしたことに驚きやすい
  • 興奮することが少ない


おすすめの食

冷えが強いタイプなので、体のボイラー機能「腎」に作用する、えび、いわな、羊肉、鹿肉、くるみなどがおすすめです。

注意したい食

体の熱を取るゴーヤ、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、緑茶、生もの、油ものなどは控えめに。冷奴を食べる際はしょうがやネギを添えるなどの工夫を。

生活面

ストレスや疲労などで無理をしないこと。体をあたためる生活を意識して、休養と睡眠に十分注意してください。お腹まわりを温める服装や、下腹部にカイロを貼る、湯船につかるなども心がけて。

血不足タイプ「血虚(けっきょ)」

フラフラかさかさ

体を構成する「気・血・水」のうち、ガソリンとなる「血」が不足しているタイプ。血は全身に栄養分を運んでいるので、不足するとめまい、立ちくらみ、手足の冷え、動悸、不眠、夢をよく見るなどの症状に。かすみ目、ドライアイの症状も血虚の特徴です。また美容系や婦人科系の症状が出やすく、肌や髪の乾燥、かゆみ、爪の色が白い、便秘なども見られます。

見た目
  • 顔色が青白いか黄色、唇の色が白い
  • 体型は痩せ型
  • 疲れると目の下が黒くなる
  • 肌の乾燥、小じわ、かゆみ
  • 髪につやがない
  • 爪が白く割れやすい
婦人科
  • 月経周期が遅れる
  • 出血量は少なく、血色は薄い
  • 月経痛があり不妊症がある場合も
冷え
  • しびれるような痛みと冷えが起こる場合がある
メンタル
  • 内向的
  • 不安感やイライラ、焦ることがある


おすすめの食

にんじん、ほうれん草、落花生、いか、たこ、ぶどう、豚レバー、なつめ、プルーンなど血を作る効果の食材のほか、胃腸の元気を補うもの(気虚を参照)もおすすめです。

注意したい食

体の潤いを発散するシナモン、唐辛子、こしょうなどの刺激物は控えめに。また、体を冷やすゴーヤ、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、緑茶、生ものなどに注意しましょう。

生活面

血虚だと不眠気味になりますが、眠れないからと夜更かしすると、さらに血の不足を招きます。眠れない場合も早くベッドに入りましょう。目の使い過ぎも血を消耗するので、スマホやテレビなどもほどほどに。

潤い不足タイプ「陰虚(いんきょ)」

のぼせほてり乾燥

体を構成する「気・血・水」のうち、体を潤す「水」が不足している状態。水が不足しているだけでなく体を冷ますクーラー機能が落ち、逆に体を温める作用が強くなるので、のぼせやほてり、手のひらと足の裏が熱い、午後に熱が出るといった熱の症状が現れます。冷たい飲食物を好む、口や喉が乾く、寝汗が多い、めまい、耳鳴り、便秘などの症状も。このタイプは50代以降の人に増える傾向があります。

見た目
  • ほっぺたが赤い
  • 体型は痩せ型
  • 肌の乾燥、かゆみ
  • 髪につやがない
  • 体が熱く、顔に汗を大量にかく(いわゆるホットフラッシュ)
婦人科
  • 月経周期が早まったり、長くなったり乱れがち
  • 出血量は少なく、血色は赤い
  • ナプキンかぶれが出ることも
冷え
  • 頭はのぼせるのに手足は冷えるといった症状も
メンタル
  • イライラして落ち着かない
  • 怒りっぽい


おすすめの食

いちご、アスパラガス、白きくらげ、松の実、ごま、卵、豚肉、チーズ、牡蠣、ほたてなど。陰虚は潤い不足ですが、単純に水を飲んでも潤いが増えるわけではありません。潤いを補う食材を食べて、細胞から潤いを持たせるようにするのがコツです。

注意したい食

ねぎ、しょうが、ニンニク、にら、唐辛子、鶏肉、牛肉、シナモン、こしょうなど体を温め、発汗を促す食材はますます潤いを失うので、控えめにしましょう。

生活面

血虚が悪化すると陰虚になりやすいため、生活面での注意も血虚と同じく睡眠時間に注意してください。夜中に起きているとカサカサを招きます。眠れない場合も早くベッドに入りましょう。

暑がりタイプ「陽盛(ようせい)」

がっちりで汗ダラダラ

食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスなどが原因で五臓が高ぶり、熱がこもっている状態。冷たいものや脂ものを好み、暑がりでよく汗をかきます。熱や炎症が出やすくなり、喉の渇きや呼吸が荒いなどの症状が特徴。若年層や男性によく見られるタイプです。

見た目
  • 顔色が赤い
  • 声が高い
  • 体型はがっちりや太め
  • ニキビや吹き出物が出やすい
婦人科
  • 月経周期が早まる
  • 出血量は多く、血色は赤い
冷え
  • 特になし
メンタル
  • イライラ、怒りっぽい
  • イライラで寝つきが悪くなりがち


おすすめの食

セロリ、水菜、白菜、ゴーヤ、きゅうり、トマト、ズッキーニ、豆腐、メロン、すいかなど、体の熱を取るものがおすすめです。

注意したい食

唐辛子、生姜、ねぎ、牛肉、鶏肉、羊肉はますます熱を増してしまいます。同様に、脂っこいもの、味付けの濃いもの、お酒の飲み過ぎも気をつけましょう。

生活面

腹式呼吸やヨガなど深い呼吸を心がけると◎。

水分過剰タイプ「痰湿(たんしつ)」

むくみたるみがち

体を構成する「気・血・水」のうち、体を潤す「水」の巡りが悪く、余分な水分がたまっているタイプ。水は体内にとどまるとドロドロになり「痰湿」と呼ばれます。冷たいもの、脂っこいもの、甘いものの食べ過ぎが原因のことが多く、いわゆる肥満や高血圧のメタボに近い状態。汗が多く、むくみたるみがみられ、痰が多い、軟便が多いのも特徴です。

見た目
  • 顔色は黄色っぽく、皮脂が多い
  • 体型はぽっちゃり、肥満気味
  • ニキビが出やすい
  • 口臭がある
婦人科
  • 月経周期は遅れがち
  • 月経痛があり、無月経になりやすい
  • おりものが多く、粘りが強い
冷え
  • 水は下にたまる特徴があるので、足の冷えやむくみがある
  • 下痢しやすい
メンタル
  • 温厚な性格


おすすめの食

体内の水の異常が原因なので、のり、昆布、海藻、あさり、里芋、たけのこ、春菊、からし菜、豆乳など、水の代謝をよくするものを選びましょう。

注意したい食

肥甘厚味(油もの・甘いもの・味の濃いもの)を避け、食べ過ぎに注意。お酒や甘いものは余分な水や痰湿(水がドロドロに変化したもの)をためる原因になります。

生活面

体をこまめに動かすことを心がけて。

気詰まりタイプ「気鬱(きうつ)」

ストレスでイライラ

体を構成する「気・血・水」のうち、エンジンとなる「気」の流れが詰まって、巡りが悪くなっているタイプ。気滞(きたい)ともいいます。気が詰まっているので、ため息、げっぷ、おなら、しゃっくり、あくび、脇腹が張るなどの症状となって現れます。肩こりや頭痛、不眠のほか、忘れっぽくなったり、イライラしたり落ち込みやすいといった症状も見られます。

見た目
  • 顔色が暗く、無表情なことも
  • 体型は中肉中背または痩せ型
婦人科
  • 月経周期が早まるか遅れる
  • 月経痛がある
  • 月経前に乳房が張ったりイライラするなどPMSが特徴
冷え
  • 頭はのぼせて下半身が冷える「冷えのぼせ」
  • しめつけると気の流れが悪くなり冷える
メンタル
  • 神経質でまじめな人が多い
  • ストレスの影響を受けてイライラモヤモヤしやすい
  • 落ち込みやすい


おすすめの食

気鬱の原因は気の詰まりなので、気の巡りをよくするオレンジ、みかん、レモン、きんかん、玉ねぎ、そば、えんどう豆、ジャスミンなどのほか、ハーブ類や香味野菜もおすすめ。

注意したい食

脂っこいものや糖分の摂りすぎ、消化しにくいものは気の巡りを悪くするので控えるようにしましょう。

生活面

ストレスが多いと悪化します。とにかくイライラしないこと。リラックスできることや、アロマなど香りのものを取り入れると◎。

血の滞りタイプ「血瘀(けつお)」

ドロドロでアザしみも

血がスムーズに流れず血が体内にたまり、いわゆる血行不良でドロドロになっているタイプ。中医学では「流れが滞ると痛む」という考え方があり、血瘀は刺すような痛みがあるのが特徴です。覚えがないのにあざ、シミなどができたり、夜になるとひどくなる固定的な痛みがあったり、頭痛、出血、肩こりなどのほか、動脈硬化や子宮筋腫などの原因にもなります。冷えも出やすいので、冷たいものの摂りすぎを控えましょう。

見た目
  • 顔色が暗く、目の下にクマができやすい
  • 体型は中肉中背または痩せ型
  • 肌のくすみがあり、そばかす、あざ、シミが出やすい
  • 唇や歯茎、舌が紫っぽい
婦人科
  • 月経周期が遅れる
  • 出血量は少なく血色は黒く塊がある
  • 月経痛がひどい
  • しこりができやすい
冷え
  • 体の末端冷え
  • 下半身冷えが起こりやすい
メンタル
  • 内向的で落ち着かない
  • イライラ、物忘れがある


おすすめの食

青梗菜、なす、くわい、黒きくらげ、酢、青魚、ナッツ類など、血の巡りをよくするものを摂りましょう。

注意したい食

血瘀の主な原因は冷えとストレスとされるので、ゴーヤ、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、柿、緑茶、生ものなど、体を冷やすものは避けた方がベターです。お菓子類や脂っこいものも注意が必要です。

生活面

血瘀の三大原因が冷え・ストレス・疲労。仕事などでのストレスは血瘀の大敵。無理をしない生活を心がけて。また冷えも血瘀によくないので、湯船にゆっくりつかる入浴のほか、体を冷やさないような服装や運動、マッサージがおすすめ。

体質は「生まれつきのもの+飲食や環境など」で変わる

体質は持って生まれた性質に、飲食や生活環境、年齢や性別、病気の有無などいろいろな要素が加わって定まったものといえます。

例えば、子どもや若者のうちは陽盛が多いのですが、50代以降は陰虚が増えます。男性は気に関する証や陽盛体質が多く、女性は月経や妊娠出産などで血虚・気虚・陽虚・陰虚になりやすいなど、年齢や性別でも変わってきます。

ストレスの多い現代社会では気鬱や痰湿、血瘀の人も多いのです。こうやってみると体質は食生活や環境に左右されるとよくわかりますね。

体質を知ることは、自分やまわりの人を知る手がかりにもなる

いかがでしたでしょうか?当てはまる体質があったでしょうか?ここでは基本的な体質を取り上げました。中医学の体質は、ひとつのタイプだけでなく、むしろいくつかのタイプを併せ持っている人の方が多いといいます。他のタイプも参考にしてくださいね。

おすすめなのが、自分だけでなく友達やまわりの人に当てはめて考えてみること。「あ!そういえば…あの人は柑橘系フルーツが大好きだけど、いつもストレスがたまってるからかな!?」と気づいたりするんです。「あの子はいつも起きられなくて約束に遅刻するけど、体質のせいだからしょうがないね…」と思えたりもするんですよ〜。中医学を知れば、まわりの人をよく知る手がかりになる!そんな風に思っています。

キョウ
ぜひまわりの人の
診断もやってみて
くださいね♪

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コメント

  1. ひかる より:

    こんばんは。
    ついに受講料振り込みしました。
    後戻りできません。
    時々、ブログ参考にさせてくださいね。

    • キョウ より:

      こんにちは!いよいよスタートですね♪
      何か困ったことがあったら相談してくださいね〜!
      私のわかることならご協力いたします(^_^)
      がんばってくださいませ〜!