ストレスフルな春に柑橘類!薬膳的な取り入れ方のコツ

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先日Dayキャンプに行ったら、めちゃくちゃ寒かったキョウです。気候の変化が激しいですが、暦の上ではもう春です!薬膳でも春の考え方を取り入れていきましょう。

キョウ
春とはいえ2月はまだ寒かった…

柑橘類は「食べるリラックス」

さて、突然ですが「春はなんだか柑橘類がおいしくてつい食べすぎてしまう」「ふだんからすっぱいものが好きでよく柑橘類を食べる」という人はいませんか?

もしそうだとしたら、気のめぐりが悪くなったり、ストレスがたまったりしているかもしれません。

薬膳では、柑橘類は気の流れをス〜ッと流してくれる「食べるリラックス」的な役割があると考えます。香りで体内の気をのびやか〜にしてくれるのが柑橘類なんですよ。確かに、あの香りで癒されますよね。柑橘類が好き!という人は、カラダが「気をめぐらせよう」としているのかもしれませんね。

柑橘類の薬膳的な役割

春は、五臓の「」が活発になる時期。現代風にいえば、肝は自律神経に関わるところです。春になるとふわふわと楽しい気持ちになる一方、イライラしたりカーッとしたりすることも。中医学では「肝の気が上がっている」と考えるのですが、例えるならエンジンのオーバーヒート状態です。

車のエンジンは冷却水でオーバーヒートを防ぎますが、同じような役割をしてくれるのが「酸味」のある食べ物です。酸味はキュッとひきしめる作用と、肝にはたらく作用があり、上がりすぎた肝気を抑えてくれます。

つまり柑橘類は、香りでイライラをス〜ッとめぐらせ、酸味で肝を落ち着かせてくれるので、情緒不安定になりがちな春にぴったりなんです。

さらに柑橘類は脾胃のはたらきをたすけるので、げっぷ、嘔吐、吐き気、下痢などの時にもおすすめです。すべての柑橘ではありませんが、ネーブルやデコポン、国産レモンなどはちょうど今頃に旬を迎えるので、デザートやおやつに取り入れるといいですね!

温性の柑橘類を選ぼう

どんなに柑橘類が春にぴったりといっても、少し注意が必要です。

柑橘類は品種により「温める」「冷ます」などの作用が異なります。春は陽気が上がる季節なので、陽気の生長を助ける「温性の柑橘類」を選ぶと◎です。

品種
温性温州みかん、きんかん、ネーブル(微温)
平性レモン、すだち
涼性オレンジ
寒性ゆず(皮は温)、文旦、グレープフルーツ

※性味については諸説あります。

柑橘類にはいろんな品種があり、細かい品種の五気六味は不明。でも冬〜春に旬を迎える柑橘は温性が多いと考えてよさそう。旬ってよくできていますよね!

控えめにした方がいい人は?

柑橘類を含む「気をめぐらせる食材」は、とりすぎると気も潤いも奪ってしまうので要注意です。

また春は酸味がよいとはいうものの、酸味は陽気の生長を抑える効能があるのです。冷えが気になる人、体質が弱い人、おなかを壊しやすい人、高齢者はとりすぎないようにしてください。
若者や健康な人、カーッと頭に血がのぼる人、高血圧の人は多めにとっても大丈夫ですよ。

酸味は少しでいい

中医学で春は「少酸多甘」といい、少なめの酸味と甘味をたっぷりとるとよいとされています。中医学で「春の主味は酸味」ですが、実際は甘味は多めをとり、酸味は少しとるぐらいでいいんですね。あ、この場合の甘味は、スイーツではありませんよー。

たまたま見た中国語の中医学サイトで、中国の人でも「甘味」はデザートだと思って甘いものを食べてしまう人が多い、と書いてありました。中医学の本場、中国でも勘違いしてしまう人が多いんですね。

春にとりたい甘味は、山芋やなつめ、米、もち米、インゲン豆、キャベツ、ほうれん草、イモ類、かぼちゃなどですので、お間違えなく〜。

気をめぐらせる効果は皮にあり

柑橘類には気をめぐらせるはたらきがありますが、中でも効能があるのが皮の部分です。皮ごととるのがベターです。

  • 農薬が気になる場合
  • 農薬の心配の少ない国産を選ぶと◎。もしくは、熱湯で洗ったり、塩でもみ洗いしておくとよいそうです。

レモンの皮をすりおろして使ったり、皮ごとスライスしてお料理に入れたり。レモンティにするといちばん取り入れやすいかもしれないですね。

花茶にレモンを浮かべてみました。イライラしがちな春におすすめ。

漢方薬では実の部分だけでなく、柑橘類の皮を乾かしたものが陳皮や橘皮として漢方薬に使われています。
↓食べた後の皮をカンタン生薬にしたい時はこちらをご参考に!

https://www.natugoyomi.com/post-3892/

栄養学でいうと、柑橘類の皮に含まれるd-リモネンという精油成分には脂肪分解作用があります。油を分解するので、よく洗剤などに入っていますよね。使った後の皮でちょっとシンクやコンロまわりをを拭くとエコたわしになりますよ♪

効果的な食べ方「酸甘化陰」

薬膳では酸味と甘味の組み合わせは「酸甘化陰(さんかんかいん)」といって、潤いを生むとされています。はちみつレモンなんて、まさに酸甘化陰ですね。

この組み合わせは、潤い不足の人や、汗をたくさんかく春の後半(春分後)や真夏の暑い時期に特におすすめです。国産レモンは真夏は出回らなかったりするので、国産レモンが出回っている今のうちに作っておくといいですね。

いただいた無農薬レモンで作った、レモンのはちみつ漬け。見ているだけで癒されます。

だいぶ前に作った塩レモン。塩をたっぷり入れたせいか、ずいぶん日持ちしています。果汁がほぼなくなってしまったのはなぜ…?

お肉のソテーなどにのせるとさっぱりした風味が加わります。気をめぐらせる効果で、お肉や芋類などの消化促進をたすけます。

レモンをしぼる時のコツ

レモンは、果汁よりも皮に気をめぐらせるはたらきがあるとされるので、果汁をしぼるときにひと工夫。実の方を下にするのではなくて、皮を下にしてしぼります

こうすることで香りがよく出て、気をめぐらせるはたらきも期待できます。これはポテトサラダに加えているところ。酸味が加わると味が引き締まり、薬膳的にもめぐりがよくなるのでおすすめです。

皮がかたくてちょっと果汁がしぼりづらいな〜というときは、皮ごとレンチンするとやわらかくなってしぼりやすくなりますよ。私はいつも30秒ぐらいレンチンしています。ようすを見ながら、少しずつ秒数を増やしてみてください。

市販のレモン水でもいい?

生のレモンではなく、加工品のレモン果汁の方が便利では?と思ってしまうのですが、薬膳は基本的には加工品を使いません。(みそ、しょうゆなど昔ながらの調味料は別です)

加工品のレモン果汁は、生のレモンと同じような効果は期待できないかもしれません。でも少し使いたいときにいいのでは?と思います。全部が全部、自然の食材だけにするのは大変ですので、上手に使い分けてくださいね。

酸味を適度に取り入れよう

中医学の古典「黄帝内経」には、酸味のものを食べ過ぎると肉が萎縮して唇が乾くとあります。酸味ばかりをとりすぎず、いろんな味をバランスよくとるようにするといいですね。

キョウ
私は冷え性なので
酸味を控えめに取り入れようと思います!


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