初春の薬膳実習!春に食べたい養生レシピは?

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こんにちは!
年末からバタバタと過ごしているKYOです。

KYO
先日、本草薬膳学院の
最終課題を提出したことを
お伝えしましたが…

結果は、見事に落第!とほほ。
2回、3回と提出して合格する人も多いんだそうです。

受かるまで再提出!ということで、再度準備に追われている真っ最中です。

そんな中、先日は京都府主催の薬膳講座・調理実習に行って来ました!
これで実習は3回目。初年度の最終実習となります。

春の薬膳献立

  • ぶりとしいたけのステーキ
  • 大根のゆずみそ炒め
  • 芽キャベツのくるみ和え
  • 九条ねぎと焙じハトムギのスープ
  • ゆり根とチョロギのごはん
  • 大棗と赤小豆のぜんざい

今回も立派な6品。私はいつも夕食に2、3品ぐらいしか作らないのですが、みなさんはふだん何品ぐらい作りますか?

実習仲間に「いつも2、3品ぐらいしか作らない」と言ってみたところ、「楽でいいわね〜」と言われてしまいました…。(←褒められてないです。ものすごく京都っぽい 笑 )

立派な素材とご対面

先生宅の畑でとれた野菜、先生の華麗な人脈を駆使して入手された極上の素材が並びます。
本日の極上素材はこちら。

じゃーん。天然ぶり!

このぶりを見てまず思ったのが「本当にブリブリしてる!!!」ということ。身がキリッと締まっていて、養殖のもののようにダラッとしていません。天然のぶりなんて、ほとんど食べる機会がないので貴重です。

補気類(気を補う)しいたけは、すごく肉厚!
芽キャベツはすごく簡単に栽培できるから家庭菜園におすすめとのことでした。
買うといいお値段するので、育ててみたいなあ。

なつめもすごく大きいです。

ぶりのことを調べよう…と思って薬膳食材の教科書を探してみたのですが、載っていない!他の本でも探してみましたが、載っているものが少ないのです。

実はぶりは中国でほとんど食用とされていないため、古典には載っていないのだそうです(ちなみに鯛も載っていないことが多いです)。

日本の食物全般について江戸時代に書かれた『本朝食鑑』によると、ぶりは「気血を滋潤し、人を肥健にする」とのこと。

この記載から、気と血を補って体力のない人に向いていることがわかります。栄養学的にみても、タンパク質やビタミンB群などなど栄養豊富な魚としておなじみですよね。

ぶりとしいたけのステーキ

ぶりを使った料理は、私が担当することになりました。

藻塩と黒こしょうでぶりに下味をつけ、小麦粉をまぶします。フライパンにオリーブ油を熱し、ぶりの両面を焼き、しいたけも一緒に焼きます。セロリ、玉ねぎを炒めてしょうゆ、日本酒、みりん、オイスターソースで味つけし、ぶりにかけて完成。

ポイント

まずぶりをフライパンに立てて焼き始め、皮目をカリッと焼くこと。こうすると皮までおいしくいただけます。

→食べた感想

臭みがないのでとても食べやすく、黒こしょうがアクセントに。ソースに入ったセロリがぶりのくせを和らげて、とてもおいしかったです。

大根のゆずみそ炒め

大根のゆずみそ炒めは、炒めマリネのような感覚です。大根の葉をみそ、ゆずの絞り汁、砂糖で軽く炒め、照りが出たら細切りした大根を和えて完成。

ポイント

消食類の大根と、理気類のゆずは好相性。気の巡りをよくしてイライラに効果的です。

→食べた感想

自分で調理すると、大根の葉は少しかたい時があるのですが、先にオリーブオイルで炒めてしまえばとても食べやすいなと実感。仕上げにかけたゆずの皮の風味で、すっきり感がアップします。

芽キャベツのくるみ和え

芽キャベツはほぼ初めて料理しましたが、見た目が可愛くてまさに「映え」。ビタミンCはキャベツの4倍含まれているそうで、別名は「ビタミンCの爆弾」!かわいい見た目とは裏腹なニックネームです。笑
ゆでた芽キャベツを、くるみと黒ごまの和え衣で和えます。

ポイント

アンチエイジングにもよい、くるみ。健脳作用があるので受験生に食べさせると効果的だそう。また、油分が多いため潤腸作用があり、便秘にもおすすめです。

→食べた感想

ほんのりした苦味の芽キャベツと、くるみの和え衣が好相性!和風の味付けの芽キャベツはほとんど食べたことがなかったので、新鮮でした。

九条ねぎと焙じハトムギのスープ

九条ねぎとハトムギのスープは、金時しょうが入り。美肌によいとされる焙じハトムギ。香ばしくて、あられ感覚でいただけます。

ポイント

辛温解表類のねぎとしょうがは、春先の風邪(ふうじゃ)を散らすのに最強の組み合わせです。

→食べた感想

作っている時はかなり味が薄いかな?と思ったのですが、食べてみるとしっかり味が感じられました。ねぎたっぷりで、風邪のひきはじめによさそう!

ゆり根とチョロギのごはん

ゆり根とチョロギのごはん。前回の調理実習と同じく、チョロギが登場です。同じ調理グループの60代の方が「昔はゆり根が安くて、一人1個くらいの感覚で食べていて、母が大きな鍋で炊いてたわ。炊くとパッと花が咲いたように広がってねえ」とおっしゃっていました。昔はもっと安かったのでしょうか。とてもおいしいゆり根、私ももっと使ってみたいなと思いました。

ポイント

ゆり根には精神を安定させる「安神作用」があるとされています。病気をした後など「ゆり根の卵とじ」を常食すると効果的だそう。

→食べた感想

ごはんにゆり根を炊き込むなんて、初めての食べ方!ゆり根のほっくり甘い食感がごはんと一体化して、とてもおいしかったです。

大棗と赤小豆のぜんざい

デザートは、大棗(なつめ)と赤小豆(あずき)のぜんざいです。砂糖の加減で、ちょっとだけグループ内でもめました。「これくらいでいい」という人と「私はもっと甘い方が好き」という人が。完全に好みなのですが、大棗には自然の甘みがあるので砂糖を控えめにすることで落ち着きました。

ポイント

脾の働きをよくする「大棗(なつめ)」を使ったぜんざい。ぜんざいといえば甘いものですが、砂糖の使いすぎは薬膳ではNG。特に小豆をむくみの対策に使う場合は、砂糖と一緒に使わない方が効果的とされています。なつめの甘さで甘みを足すのがとてもよいと思いました。

→食べた感想

なつめの甘さが引き立って、砂糖の量以上に甘く感じました。なつめ(大棗)は薬膳ではおなじみの食材ですが、気軽に使えて食べてもおいしいのがうれしいですね。疲れ、貧血、心悸、不眠、イライラなどによいとされています。

春の養生のポイント

春は五行学説によると木に属し、風に通じている。風邪は身体の上半身を傷つけやすい。したがって、熱、微汗、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、目の充血や眩暈、のぼせ、頭痛などの症状がみられる。

春風邪や花粉症などが当てはまります。早春にはねぎやしょうが春から晩秋にはミントや菊花、桑の葉などがこれらの症状によいとされています。

春になると肝の機能が盛んになる。肝機能をうまく保たないと、のぼせ、イライラ、だるい、やる気が出ない、自律神経失調症、筋肉痛などの症状が表れる。そのため肝の気を整え、脾を養うことが大切。肝の熱を取り除くには清熱類の食薬、脾の働きには補気健脾の食薬がよい。

肝の熱をとるには、白菜、トマト、セロリ、きゅうり、豆腐など。
脾(胃腸)の働きをよくするには、米、小麦、大豆、長芋、かぼちゃ、いんげん、しいたけ、大棗などが最適です。

薬膳の理論にのっとって、今回の実習メニューも最適な食薬を組みあわせたレシピになっていました!肉より魚が多く、和風の味付けが多いのは、レシピを作る先生の個性ですね。

ちょっと疑問に思ったこと

この薬膳講座のグループは40代以上の女性、特に50〜60代が多い印象です。
そしてある方が、こんなこと言いました。
「理論はよくわからないけど、結局は、旬のものをバランスよく食べていたらいいってことでしょ?」と。

うーん。その考え方はちょっともったいないな〜と思ってしまいました。
確かに薬膳の理論は難しいのですが、せっかく学んだ理論。理解した上で薬膳を作れば、もっと有益なものとして役立つのに…と思うんですよね。実習も、旬のものをバランスよく食べる目的なら、ただのお料理教室になってしまうのでは…?と。

ただ、これは私の個人的な考え方です。考え方も人それぞれ。
勉強する人の取り組み方によって、薬膳講座の役立て方も変わってくるなと思った出来事でした。

KYO
薬膳の勉強の仕方、環境…
自分に合ったところを選びたいですね。

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