なぜ中医学(漢方)とアンチエイジングは相性がいいんだろう?

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薬膳の勉強や資格、薬膳料理についての記事に加え、これから私が充実させていきたい!と思っているうちのひとつが、中医学や薬膳を軸にした「アンチエイジングケア」についてです。

アンチエイジングとは、日本語で「抗加齢」または「抗老化」という意味。アンチエイジング=美容というイメージが強いかもしれませんが、本来の定義では、「病気を防ぎ健康的な身体を維持し、若々しく見える」「健康的な加齢、長寿が期待できる」ということ。

「いつまでも若々しく」というのは誰もが願うことのひとつですよね。中医学には、若々しくいるためのヒントがたくさん詰まっています。その技を取り入れて、体も心も美しく年齢を重ねていきたいと思う今日このごろ。記事を書くことで自分のブラッシュアップ、そして誰かのお役に立てればいいな〜と思っています。

「手っ取り早く、アンチエイジングには何をしたらいいの!?」と思う方もいると思いますが、これは長年かけてやりたいテーマ。自分の勉強を兼ねて、少しずつ、詳しく書いていきたいと思います。今日はその序章として、なぜ中医学とアンチエイジングケアが相性がいいのか?という点についてです。どうぞよろしくお付き合いください。

  • この記事はこんな方に向いています。プロの方はどうぞお手柔らかに…
  • ◎中医学や薬膳の初心者
  • ◎中医学や漢方に興味のある人
  • ◎アンチエイジングに興味のある人
「中医学」とは4000年の歴史を持つ中国伝統医学のこと。日本には5〜6世紀ごろに伝わった後、独自の発展を遂げました。江戸時代に西洋医学が伝来した際、西洋医学を「蘭方」と呼んだのに対し、中医学を「漢方」と呼んだことから日本独自の漢方という名称が生まれました。よって中国では漢方という言い方はありません。「中医学」と「漢方」には考え方や診察、治療において違いがありますが、ルーツは同じものです。ここではあえて中医学という言葉で表現しています。

中医学とアンチエイジングの関係

そもそも中医学とアンチエイジングとはどういう関係があるのでしょう。

「調子が悪い」と思って病院に行くと「どこにも異常がない」、または「体質だから仕方ない」と言われてしまう…そんな経験をしたことって、みなさんはあるでしょうか。

○○という病気の状態に対して○○という薬や治療を行うのが西洋医学。はっきりと病気といえる症状がないと、西洋医学では治療の対象になりません。一方、中医学は「病気とまではいかないけれど、なんとなく調子が悪い」という、【未病】の状態を治すことを得意としています。

外傷や救急救命、臓器移植、細菌感染症などの分野では西洋医学が優秀ですが、生活習慣病や難病の根本治療などで実績を出しているのは中医学です。

欧米諸国では中医学を中心とした治療や研究が急速に進んでいます。アメリカでは国立衛生研究所が中医学を含む代替医療の研究に多くの予算を投じ、またハーバード、コロンビア、スタンフォード、エール、テキサスなどの主要大学でも代替医療・中医学の教育、研究が行われています。

食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、ストレスといった【未病】はさまざまな病気の原因になります。

若い時からタバコを吸い続け、特に不調を感じなかったとしても、将来的には病気のリスクが高まるでしょう。まさに【未病】の状態です。中医学を取り入れて【未病】の段階で治すことができれば、将来の体のベクトルを健康の方向にグッとシフトすることができます。これはまさに病気を防ぎ健康的な身体を維持するというアンチエイジング医学の考え方と同じです。

中医学の基礎理論の基となった「黄帝内経(こうていだいけい)」という書物には「人は自然の中で生かされている。常に昼と夜の変化に合わせて生活し、正しい食生活と規則正しい生活習慣を守っていれば、心身の健康を維持しながら100歳まで長寿を全うすることができる」と書かれています。食と生活習慣次第で病的な老化防止を叶えることができると、何千年も前から答えを明らかにしていました。

病気になる前に自分の弱い部分を補い、心身のバランスをととのえることで老化のカーブをゆるやかにし、長寿を叶える。中医学そのものが、アンチエイジングの考え方と一致しているのです。

成り立ちからアンチエイジングと関連していた中医学

起源は4000年前にさかのぼるといわれる中医学。紀元前1000年ごろの西周の時代には「食医」「疾医(しつい・内科)」「瘍医(ようい・外科)」「獣医」という4つの医師職が設置されました。中でも「食医」は王の食事の管理役として、最も重んじられていました。王の飲食のバランスをしっかりと把握することで王の健康を守り、病気の予防と治療を行なっていたのです。これこそ医の源は食にあるとする「医食同源」です。食医は中医学の原点ともいわれ、このころから中国では、健康を維持し病的な老化を食い止める「予防医学」が最高の医学だとされていたことがわかります。

王族や貴族が未病を治すことにこだわったのは、健康と若さを誇示し、自身の権力を維持する意味もありました。秦の始皇帝は臣下に不老不死の薬を探させ、究極のアンチエイジングを求めたといわれています。

王の妻など身分の高い女性たちは優秀な後継を生むため、また美しさを保ち寵愛を受けるため、抗衰老(アンチエイジング)や美容の叡智を取り入れていました。中医学では食や漢方薬といったおだやかな治療で体のリズムをととのえ、ホルモンの分泌をたすけます。生理不順や更年期の不定愁訴など婦人科系の悩みと相性がよいとされているのはこのためです。中医学には太古からアンチエイジングの方法が蓄積されているのです。

身近なことから無理せずできる

そしてもうひとつ、中医学とアンチエイジングケアがぴったりの理由。それは手軽にいつでも始められるという点です。
中医学のアンチエイジングケアでは激しい運動や高額なエステなどは必ずしも必要ではありません。スーパーに売っている身近な食材を組み合わせた食事で気血水のバランスをととのえ、日々の生活に気をつければいいのです。誰でもすぐに実践できます。欧米で話題のスーパーフードもいいのですが、中医学で使う食材は日本人にもっと身近なものが多いです。

食の改善とともに、漢方薬や鍼灸、気功などの漢方を取り入れればさらに効果が高まります。美容面のアンチエイジングケアとして美肌コスメを組み合わせてもよいと思います。食事や美容にとてもこだわっていたとされる清の西太后もパックや美顔ローラーを使っていたとか。内側からのケアと外側からのケア、両方を組み合わせれば優れたアンチエイジングケアになるでしょう。きれいになることで自信が持てれば、心のアンチエイジングにもよいですね。

なぜ中医学とアンチエイジングが相性がよいのか?という疑問をまとめると

  • ●中医学そのものがアンチエイングの考え方と一致するから
  • ●中医学にはアンチエイジングのメソッドが蓄積されているから
  • ●いつでも誰でも身近な食材ですぐに始められるから

という答えに行き着きました。

現代社会において食や睡眠はついついおろそかになりがちです。でも自分の食や体に意識を向けることは、病気の予防にもなり、健康的に年齢を重ねることに直結します。
また自分の食や体を見つめ直すことは、自分を大切にすること、人を大切にすること、本当の健康や美しさへとつながっていくのではと思います。

KYO
コロナ禍で健康や食についての
価値観は大きく変化するはず。
これから中医学の知恵はもっと
求められるようになるのではと感じています。


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