うまく付き合えばお酒は百薬の長!薬膳での二日酔い対策は?

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そろそろ年末。外飲みの機会がめっきり減った最近ですが、おうち時間の増加で飲みすぎてしまう人も多いとか…そこで今日は中医学から見た、お酒の効能や二日酔い対策についてまとめたいと思います!

お酒の効能

お酒の歴史は古く、医療の醫の字は酒(酉)、酒は薬の起源ともいわれます。漢方薬にもお酒が使われたり、薬酒が作られたりと、中医学とお酒は切っても切り離せない関係。お茶が万病の薬と言われるのに対し、酒は百薬の長といわれるのは有名ですよね。それほど中医学では体によい効能があると考えられています。

お酒の効能

  • ✔️甘味を持ち、疲れを緩和する
  • ✔️辛味を持ち、発散&めぐりを良くする
  • ✔️体を温めて寒さを追い払い、陽気を回復させる
  • ✔️食欲を促進する

もちろん、いい効能があるからといっても飲み過ぎはNGです。

お酒をたくさん飲むと…

「痰湿(消化しきれない余分な老廃物)」が生まれやすく、痰湿はいろいろな不調の原因になると考えます。

それぞれのお酒の効能は?

ワイン

  • ✔️血を補う
  • ✔️心を落ち着かせる養心安神のはたらき
  • ✔️香りで気を巡らせてストレスを発散

ぶどうから作られる、ワイン。ぶどうは血を補う効能があるので、ワインが血を補うのも納得。栄養学から見ると、ポリフェノールが含まれるので老化防止などによいといわれています。

日本酒

  • ✔️胃腸を助ける健胃のはたらき
  • ✔️血行を促進し、冷えを緩和して痛みを軽減
  • ✔️皮膚に潤いを与える

日本酒や甘酒は、胃腸の機能を一時的に高めます。日本酒は食事によく合う「食中酒」といわれますが、この働きのおかげかもしれませんね。

焼酎

  • ✔️気血を全身に巡らせる
  • ✔️体を温め寒気をのぞく
  • ✔️冷え性や冷えによる痛みの解消によい

焼酎は熱性(または温性)の性質を持ち、お酒の中でも特に体をあたためる効果が大きいといわれています。寒がりな私も、冬は焼酎のお湯割派です。(聞いてない)

ビール

  • ✔️消化を高める麦芽が主原料なので、食欲を促して消化力を高める
  • ✔️体にこもった余分な熱を冷まして暑さを解消する
  • ✔️健胃、ストレス解消

熱を冷ます効能があるビール。気温が25度を超えるとビールが売れ始めるのは、この効能と関係していそうです。中国では、栄養が豊富なので液体面包(液体のパン)とも呼ばれているそう。また、ビール酵母や麦芽に含まれる成分には美顔効果があるとか!

こんな人はNG

もともとお酒が体質的に合わない人や妊娠授乳期、疾病のある人、未成年者のほか、お酒の種類や体質によって、合わない人もいます。

ワイン、日本酒、焼酎を飲まない方がよいのは
のぼせやすく熱っぽい人・高血圧の人、代謝が悪く余分な老廃物が溜まりがちな人。
ビールを飲まない方がよいのは
のぼせやすく熱っぽい人・高血圧の人。ビールは涼性(平性説もある)なので、もともと冷えのある人は冷えを助長します。高齢の人、むくみのある人にも不向きです。

食べ物で二日酔い対策

飲み過ぎないよう気をつけていても、ついついお酒が進んでしまうことも…「次の日が辛い!」そんなときは、酒毒を早く排出する手助けをする食べ物をどうぞ♪

しじみ

二日酔いの定番といえば、しじみの味噌汁。薬膳では余分な水を体外に出す「利湿」に働いてむくみを取り、余分な熱やお酒の毒を取り、口渇を取るとされています。

二日酔い防止フルーツとして有名な柿。柿のタンニンにはアルコール分解作用が含まれるので効果的といわれています。

りんご

ちょっと意外な二日酔い防止フルーツが、りんご。さっぱりと喉を潤して、体の熱を取って二日酔いを解消します。

ゆず

解酒作用があり、果汁が酒の酔いをさましてスッキリさせます。私はお酒を飲んだ次の日は、オレンジジュースなどが飲みたくなりますが、オレンジやグレープフルーツなども二日酔い対策によいといわれています。

ターメリック

血行を促進して気のめぐりをよくする姜黄キョウオウ(日本ではうこんともいわれます)。肝機能のはたらきを高めるクルクミンが二日酔いを改善するのは有名ですね。

大根おろし

大根に含まれるビタミンCが肝臓のはたらきを助け、また消化酵素が胃腸のはたらきをととのえ、血液中のアセトアルデヒトの排泄を早めます。そのまま食べてもいいですし、しぼり汁を飲んでも効果的。

なる早で二日酔い脱出のお茶

飲み過ぎてむくむ!だるい、頭痛がつらい!尿が出にくい!吐き気がある…どれも二日酔いにありがちな症状。こういった不快な状況は、お酒の飲み過ぎで体が余分な水を溜め込んだことにあります。胃腸の働きが低下して水分が停滞しているので、体内の水はけをよくしましょう。

しょうが小豆茶

薬膳的に見ると、小豆はマメ類の中でも利尿作用がバツグン。解毒作用があるのも特徴です。でも豆って二日酔いの時はちょっと食べづらいですよね。そこでお茶で取り入れるのがおすすめです。

無印良品の小豆茶はティーバッグタイプなので手軽に飲めるのがうれしい♪

そしてもうひと工夫。小豆茶に「しょうがのしぼり汁」を加えてみてください。

しょうがは発汗作用があるほか、胃腸を温めて気をととのえ、また吐き気を止める効果もあります。生のしょうがは健胃薬として働きます。

小豆茶+しょうが

●小豆は利尿作用で余分な水を出す ●しょうがは発汗作用で余分な水を出す
ダブルの作用でむくみに効果的!これは、二日酔いの症状によく使われる「五苓散」の組成を参考にした考え方です。

濃いめの緑茶

「小豆茶なんて、家にない!」という場合は、緑茶でもOK。豊富に含まれるカフェインには利尿作用、タンニンはアルコールを分解する効果があります。ちょっと濃いめに入れると◎です。ほかにも、はとむぎ茶、コーン茶、黒豆茶なども利尿作用があるので二日酔いの時におすすめです♪

まとめ

お酒を飲む機会が増える季節。

  • ✔️少量を飲む「少飲」
  • ✔️薄く飲む「淡飲」

を心がけて、ゆっくり「ほどほど量」を意識していただきましょう!

厚生労働省が定めた「健康日本21」では、節度ある適度な飲酒量をビールなら中瓶1本、日本酒1合と定めています。一方で、2018年イギリスの医学誌ランセットには「まったく飲まない方が健康にはよい」という研究結果が掲載されたそうです。中医学では古くから、薬効のある薬膳酒は養生方法として根付いています。飲めない人は無理して飲まず、飲める人はそれぞれの適量を守って楽しみましょう!
キョウ
年末年始の飲み過ぎにお互い気をつけましょう〜!


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